こんにちは。
元不登校生で、元高校教師のえむへいです。
今回は元高校教師として、過去の学校現場での話をしようと思います。
今現在、高校の不登校でお困りの方々に何か参考になれば幸いです。
【元高校教師が解説】理由は聞かずに不登校が改善した話
これまで私は19年間高校の教師を勤めてきました。
その中で、不登校傾向だった生徒が高校で復活したという事例を私はいくつか目にしてきました。
詳しくは上記の過去記事に書いていますが、私は彼女たちに小中学校時代の不登校の理由や、高校で休みがちだった理由を聞くことはほとんどしませんでした。
なぜ不登校の理由を聞かなかったのか
なぜ不登校の理由を聞かなかったのかは以下の通りです。
・本人も理由がわからなそうだったから
・理由を明らかにするだけの時間がなかったから
・とにかくまず進級や卒業を本人が望んでいたから
もちろんいじめや虐待などの場合もあるので一応は理由を聞く(この場合は「探る」の方がぴったりかもしれません)というのは大事です。(※本記事後半で解説)
でも、具体的な理由がなさそうであれば、もうそれ以上は私はあまり突っ込むことはしませんでした。
そもそも突っ込んで聞いても答えが出てこないことが多いんですよね。
カウンセラーのように時間をかけて何度も面談を繰り返し行えば、もしかしたら答えが出てくるのかもしれませんが、そんな時間は残念ながらありません。
それは教師の忙しさ的な問題もありますが、それよりもそんなに時間をかけていると、その間にどんどん授業欠課が増えていく場合もあり、そうなると進級や卒業ができなくなってしまいます。
やっぱり小学校や中学校と違って高校の場合は「単位」というのが不登校問題では大きく関係してきます。
だから理由を明らかにしてその問題を完全に取り除いてから「さあ学校を頑張ろう!」という時間的余裕はないんですよね。
以上の理由から、私は不登校の理由を生徒に聞くということはほとんどしませんでした。
その代わりにやったことは
その代わり、本人が望んでいるのであればとにかく進級や卒業を目指すことを最優先にした取り組みを行っていました。
不登校傾向の生徒の進級や卒業を達成するために私が行った具体的な行動は以下です。
②具体的な戦略を練る
③明るい未来を想像させる
④親御さんと連携をとる
①励ます
やっぱり基本は励ましです。
他の生徒以上にコミュニケーションを重視し、事あるごとに対話を重ねていました。
また、そのために日頃から「観察」もよく行っていました。
具体的な声掛けとしては以下のようなものです。
「最近頑張ってるね。でも大丈夫?」
「最近調子はどう?少し良くなさそうだけど…」
「週の後半で疲れがたまってきてるだろうけど、頑張っていこう」
まあ全然たいした内容ではないんですけどね。
でも質より量と言いますか、普段から細かいコミュニケーションを取っていた方が子どもには安心感を与えられると思うんですよね。
観察を怠らず、コミュニケーションを多く取りながら励ますというのを私は大切にしていました。
②具体的な戦略を練る
あと、ただ漠然と励ますだけでなく、具体的な数字を出しながら戦略というか作戦のようなものを立てました。
詳しくは過去記事にある通りですが、これは「あと何時間休んだらアウト」とか「どの科目がヤバイか」などがわかるものです。
確かにそれが生徒にとってプレッシャーになってしまうこともありますが、でも生徒たちはとにかく進級や卒業を目指していたので、そのためには数字は避けて通れませんでした。
「音楽と保健がだんだん余裕がなくなってきているからちょっと頑張ろう」
「水曜日に大事な科目が多いから他の曜日は休んでも水曜日は何とか頑張ろう」
こんな感じで私は励ましていました。
生徒たちも具体的な数字がわかるのでそれを踏まえて「あとどれくらい休める」とか考えながら頑張れているようでした。
③明るい未来を想像させる
あとは私自身の不登校の経験や、過去の生徒たちの話も聞かせたりしていました。
そしてその中で「明るい未来が待っている」的なことをよく話しました。
「俺も不登校だったけど今こうして頑張れているよ」
「今までの生徒の中にも復活して活躍している生徒がいるよ」
不登校のつらさに共感しつつ、でも今頑張ればいずれ将来的には絶対良くなるということを想像させるという感じですね。
あと、不登校経験がある芸能人の話なんかもよくしてました。
どれだけ効果があったかはわかりませんが、とにかくあの手この手を使ってなるべく生徒たちのモチベーションが上がるような話をたくさんしてあげました。
④親御さんと連携をとる
最後は親御さんとの連携についてです。
やっぱりこれは欠かせないものでした。
決して毎日ではありませんでしたが、学校や家での様子、あとどれくらい休めるかなどの具体的な数字の共有を定期的に図っていました。
教員と保護者で情報を共有することで、子どもへの声掛けの内容を一致させ、学校と家庭のダブルで励ますということができました。
あと、お子さんのことを朝起こしてもらうとか、学校まで車で送ってもらうとかの物理的な協力も必要だったりします。
これらを3年間行ってもらっていたので、本当に親御さんは大変だったろうなあと思います。
だからそういう生徒の卒業式当日は、生徒だけじゃなく親御さんとも一緒に涙を流してしまいましたね、私は。
だんだんと耐性もついてくる
あとこれは私の経験上からなんですが、上記のような取り組みを続けていると、学年が上がるにつれて休みが減ってくる子たちが多かったです。
子どもの成長なのか、だんだんと学校や人間関係に対して耐性がついてくるようで、休みながらも頑張って学校に通い続けることで徐々に学校に慣れてくるという生徒が多かったです。
教員時代後半はそういう見通しを立てることもできたので、だからなおさらそれを信じてひたすら励ましながら一緒に進級や卒業を頑張ったという感じでした。
【補足】不登校の理由を聞く場合もある
以上、不登校の理由を聞かずに進級や卒業をしていった生徒の話をしてきましたが、一応厳密に言えば、生徒にまったく理由を聞かなかったというわけではありませんでした。
入学前の春休みの面談(過去記事参照)のときには、それとなく小中学校時代の不登校のことは聞きましたし、高校に入ってから休みが続いたときなども、それとなく理由を聞くことはしていました。
不登校の問題の場合、よく「理由は聞くべきではない」というような話が出ますが、たしかに本人が困ってしまうくらい根掘り葉掘り理由を問い詰めるということは避けた方がいいです。
でも、だからといって何もまったく理由を聞かないということは私は教師経験上したことがありません。
理由は以下です。
いじめや虐待の場合は一刻も早く問題解決にあたるべきです。
悠長なことは言ってられません。
また実際にいじめや虐待があっても、本人が素直に話してくれない場合というのももちろんあります。
ですが、まずは大人側が「聞く姿勢を持っている」というアピールをしておかないと、いざ子どもがSOSを出したくなったときに「誰も話す相手がいない」となると子どもは大ピンチになってしまいます。
また、「学校で何かあった?」とか「家で何かあった?」と聞いたときに変にごまかす素振りをする生徒もいます。
そのような素振りが出てくる可能性のことも考えて私は特に不登校傾向で心配な生徒に対しては、事あるごとに生徒の負担にならない程度に理由を聞くというか、様子をうかがうみたいなことは定期的に行っていました。
これらを通して、特にいじめや虐待はなさそうだなと判断できる場合については、今回のテーマの通り「不登校の理由」は聞きませんでした。
まとめ
では今回の記事をまとめます。
・基本は絶え間ない励まし
・「単位」については具体的な戦略が必要
・そのうち耐性が身に付いてくることにも期待
今回の記事は以上です。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
ではまた。
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