【不登校生向け】調査書(内申書)の「欠席理由の欄」にはどう書かれる?

欠席理由アイキャッチ画像入試・成績
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えむへい
えむへい

こんにちは。元高校教師のえむへいです。

先日、以下の記事を書きました。

この記事を読んでもらえればわかると思いますが、「欠席の欄」が入試の合否に直接関係することはほとんどありません。

でも、これに関連して今回の記事では、不登校の人がちょっと気になる「欠席理由の欄」はどのように書かれるのか、について詳しく説明していきたいと思います。

はじめにこの記事の内容を簡単に言うと以下になります。

・欠席理由は当たり障りのない内容で書かれる
・そもそも文章記述欄はどの項目も平凡な書き方で書かれる
それでは説明していきますね。
今回の記事は「中学生の高校入試」をイメージして書いていますが、中身は「高校生の入学試験、就職試験」に読み替えることも可能です。
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欠席理由の欄【受験生が不利になる書き方はしない】

欠席理由記事内画像1

調査書の中には「欠席日数」を書く欄があります。

そしてこれとセットで、たいてい「欠席等の主な理由」という欄があります。

これは「ここに欠席した理由を書いてくださいね」という欄のことです。

一般的な欠席理由の書き方

普通は風邪とか、頭痛とか、腹痛という感じで書かれる訳です。

例えばこんな感じです。

欠席日数10日・・・風邪、頭痛

これよりも、もう少し詳しく書かれる場合もあります。

例えばこんな感じです。

欠席日数10日・・・風邪7日、頭痛3日

ここまでは一般的な欠席理由の書き方です。

不登校の場合の欠席理由の書き方

では、これが不登校による欠席の場合はどう書かれるかというと、以下のようになります。

いくつか例を挙げますね。

パターン① 欠席日数45日・・・体調不良
パターン② 欠席日数45日・・・頭痛、腹痛
パターン③ 欠席日数45日・・・頭痛、腹痛、体調不良
パターン④ 欠席日数45日・・・頭痛4日、腹痛3日、体調不良38日

だいたいこんな感じで書かれることが多いです。

いずれ「不登校」という言葉が使われることはまずないです

なぜ「不登校」という言葉が使われないのか

中学校の先生からすれば、調査書は高校側に提出する「よそ行きの文書」です。

そしてこの調査書は、受験の合否を左右しかねない書類です。

そのため中学校の先生方は、皆さんのことを気遣って、調査書にはなるべくネガティブなことは書きたがりません。

ですので、「不登校」のようなちょっとネガティブにとられかねない言葉や表現はあまり書かないのが普通です。(まあ実際は、書いてあったとしても合否材料にはしないのが一般的ですが)

そこで登場するのが「体調不良」という言葉です。

私も高校教師時代、企業や大学に提出する調査書で、欠席が多い生徒の場合の欠席理由欄にはよく「体調不良」という言葉を使っていました。
この言葉、とても都合がいいんですよね。オールマイティな言葉というか、何にでも当てはまるというか、別に嘘もついていないし、非常に便利な言葉なんです。
私だけでなく周りの先生方もみんな、欠席が多い生徒についてはこの「体調不良」という言葉を使っていました。

だからパターン①のように、欠席が多い場合の理由は「体調不良」という言葉で書かれることが多いです。

あとはパターン②のように、そもそも「体調不良」という言葉さえも使わないパターンもあります。

たいてい不登校の場合というのは、実際に何かしら身体症状として、頭痛や腹痛などが現れている場合が多いので、それらを理由として書くというパターンです。

パターン③は、①と②の複合タイプですね。

パターン④は、理由に細かく日数まで書くというタイプです。

ここでちょっと補足説明。
上記の箱囲みメモのように、高校側も「体調不良」=「不登校」のような感覚でこの言葉を使っているので、結局「体調不良」と書けば「あ~この受験生は不登校傾向の生徒なんだな」とわかります。
でもわかったところで繰り返しになりますが、別に合否には関係ないのが普通なので、それで落ちたりはしません。
以前私が勤めていた高校では、3年間でトータル400日以上欠席していた受験生(要するにほとんど中学校に行っていない)がいましたが、その生徒は学力試験と面接試験が普通に合格レベルに達していたため、ちゃんと合格していました。後に私がその生徒の担任をしたのですが、その話は下記の記事で書いています。
ただし、病院に行って実際に診断名が付いた場合は、それを書くパターンもあります。
たとえば「起立性調節障害」「自律神経失調症」などのようにです。

「いじめ」による不登校の場合はどう書かれるか

不登校がいじめによる場合であっても、理由の書き方は上記と基本変わりません。

なので、「いじめによる不登校」だとか「人間関係のトラブルによる欠席」などとはまず書きません。

とにかく欠席理由の欄は形式的で当たり障りのない書き方で書かれる
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他の文章記述欄も形式的な表現が多い

欠席理由記事内画像2

調査書には欠席理由の欄以外にも文章で書く欄がいくつかあります。

それは以下のようなものです。

・「総合的な学習の時間の記録」
・「学級活動、委員会活動、学校行事の記録」
・「部活動の記録」 
など

これらもはっきり言って形式的な、極めて平凡な書き方になります。

「~に積極的に取り組んだ」とか「~を周りと協力して励むことができた」のように、ほとんどどの生徒も書き方に大差はありません。

私も教師時代そうでしたが、中学校の先生方もだいたいテンプレートを持っています。

文化祭をがんばった生徒はこういう書き方でとか、合唱コンクールをがんばった生徒はこういう書き方でとか。

ある程度書き方が決まっているのが普通です。

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そもそも高校側も文章記述欄はあまり見ない

欠席理由記事内画像3

高校側も文章記述欄がたいていどの受験生も一緒で、形式的なものだということは知っています。

だからはっきり言って、そんなに一文字一文字しっかりとは見ません。

文章記述欄で高校側がちゃんと見るのは以下の2点です。

①事実や記録
②特別な事情等が書いているか

それぞれ説明していきます。

①事実や記録【部活動や委員会活動のこと】

「事実や記録」というのはたとえば以下のようなものです。

・「生徒会役員」
・「〇〇委員長」
・「〇〇部に所属し、〇〇大会で〇位入賞」 
など

文章表現で差を付けてしまえば、調査書を書く担任の先生の「文章力」に左右されてしまいます。

それは不公平だし、高校側も客観的に評価を付けづらくなります。

客観的に付けられるとしたら「事実や記録」のみです。

事実や記録を見て加点方式で評価するのが一般的
たとえば部活動で全国大会優勝とかだったら相当の加点だと思われる

ということで、文章記述欄は部活動の成績や役職以外は他の受験生とあまり差がつかないと思っていてください。

調査書によっては「所見欄(担任の先生が、この生徒はこういう生徒だ、と自由に文章を書く欄)」があるものもあります。
でもこの場合でも、受験生に不利なことを書くことはまずないし、高校側も合否の判断材料にするのはあくまで事実や記録のみが多いです。

②特別な事情等が書いているか【合否の判断材料にはならない】

調査書の中には「特記事項」「指導上参考となる諸事項」といった欄があります。

ここは一般的は受験生については「特になし」または「/(斜線)」となります。

しかし特別な事情があって、この部分に何か書かれる場合があります。

特別な事情とは次のようなものです。

障害等、何か特別に配慮すべき生徒かどうか、など

今の時代は「ノーマライゼーション」の考えが進んでいることもあり、障害を抱えていることを理由に不合格にするということはまずありません。

あるとしたら、足が不自由で車いすの受験生がいて、その高校にはエレベーターが設置されていないため、学校生活の上で困難が予想されるときなどです。

なので、この部分については、試験の合否材料のためというよりは、入学した場合の高校側の支援体制を整えるための事前情報として書いておいてもらいたい、という欄です。

中にはこの欄に「人間関係のトラブルにより3年時はほとんど学校を休んでいた」など、不登校だったことがわかるようにきちんと書いてくれる中学校の先生もいます。
これは高校側としてはありがたいことです。
なるべくその生徒の情報をつかんでおきたいからです。
情報をつかんでおきたい理由は入試で落とすためではありません。
あくまで入学した際の支援体制構築のために、です。
いずれとにかくこの特記事項の欄に何か書かれる場合があっても、それは合否には直接関係しないことがほとんどです。

ということで、要するに、文章記述欄において他の受験生と差がつくとしたらそれは、「事実や記録」の部分のみと言えます。

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まとめ

欠席理由記事内画像4

というわけで今回の記事をもう一度下記にまとめます。

・調査書の欠席理由の欄にはネガティブなことは書かれない
・書かれてあったとしても合否の判断材料にはならないのが普通
・他の文章記述欄で周りと差がつくのは「事実と記録」の部分のみ
・特記事項に何か書かれる場合があっても、それも合否の判断材料にはならない

今現在不登校の人は調査書に関しては、とにかくあまり気にしないでください。

それよりもまずはゆっくり休んで体力と気力をつけて、できることなら学力試験対策をがんばってください。

学校に行って勉強できればベストですが、家でも何かしら勉強はできます。

不登校生の家での勉強のしかたについても、また他の機会で記事にしたいと思っています。

応援しています!

ではまた。

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