元高校教師のえむへいです。
以前私は以下のツイートをしました。
人との距離感は難しい。
一人は寂しいから誰かのそばに近づきたくなるんだけど、近づき過ぎるとお互い怪我をしてしまう。
ハリネズミ🦔のジレンマ— えむへい@元高校教師が不登校をつぶやく (@emuheiblog) November 3, 2019
今日はこれをもう少し詳しく書いていきたいと思います。
テーマは以下です。
これは不登校の人にも通じる話題だと思いますので、ぜひ読んでもらえたらなと思います。
今回の記事の内容は以下です。
・でも近づきすぎたらケガをする。
これだとあんまり意味がわかりませんよね。
ということで、早速説明していきますね。
「ハリネズミのジレンマ」に学ぶ「上手な人との付き合い方」【適度な距離を保つべし】
まずはタイトルにもある「ハリネズミのジレンマ」という言葉について説明していきますね。
「ハリネズミのジレンマ」とは
皆さん「ハリネズミのジレンマ」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。
これは別名「ヤマアラシのジレンマ」とも言われています。
ハリネズミ(ヤマアラシ)っていうのは、こんな感じの動物です。
トゲトゲのハリを持つ、でも愛くるしい小動物ですね。
で、「ジレンマ」という言葉の意味は下記です。
要するに、「どうしていいかわからない状態」ということですよね。
ハリネズミがなぜジレンマを起こしているかというと、これは昔、ドイツにショーペンハウアーという哲学者がいて、彼の寓話(ぐうわ=たとえ話のこと)が由来になっています。
こんな話です。
その日はとても寒い日だったので、2匹はお互いに体を寄せ合って温め合おうとしました。
しかし、近づきすぎるとお互いの全身の針が相手に刺さって傷つけてしまいます。
そうかといって、離れてしまうと今度は寒くて凍えてしまいます。
その後2匹は近づいたり離れたりを繰り返して、やっと最後はお互いに傷つけ合わず、しかも温め合えるちょうど良い距離を見つけることができました。
この話は、よく心理学で恋愛関係の話題の時などに使われたりしています。
また、アニメ「新世紀エヴァンゲリオン」って皆さん知っていますか?
これは私の好きなアニメの一つなんですが、その第4話のサブタイトルにも「hedgehog’s dilemma(「ヘッジホッグ」=「ハリネズミ」のジレンマ)」という形で登場しています。
この「ハリネズミのジレンマ」は、人付き合いに悩む人のヒントになる話です。
ハリネズミはお互いに離れたら寒い【人間も一緒】
よく「人は一人では生きていけない。他人の手を借りながら生きていくのが人間社会だ」みたいなことが言われますよね。
これは本当にその通りで、私もこれまで何度もいろんな人から助けてもらいました。
はっきり言って助けてもらってばかりの人生です。
大人になった今でも、いろんな人に迷惑をかけながら助けてもらって生きています。
なので、なおさら若い中高生の人たちも、これまでいろんな人に助けられながら生きてきたと思います。
親や友人、兄弟や学校の先生など、いろんな人とこれまで関わってきたはずです。
やっぱり一人は寂しいし、なんだか心が寒いと感じるときってありますよね。
特に自分が弱っているときなどはやっぱり誰かがそばにいてほしいと思うし、それは現実世界だけでなく、ネットの世界でも一緒でしょう。
「すぐに既読をつけてほしいし、すぐに返事を返してほしいし、いいねもいっぱいつけてほしい」
社会性を備えた人間という動物は、基本誰かとつながって生きていると言えるでしょう。
だから、「孤独は辛い」「一人は心細い」そう思うのはとても自然な感情です。
でもハリネズミはお互いに近づきすぎたらケガをする【人間も一緒】
でもハリネズミはお互いにトゲを持っているので、その距離が近すぎたら、お互いがお互いを傷つけてしまいます。
寒いから近づきたい。でも近すぎたらケガしちゃう。
う~ん、どうしよう…
これが「ハリネズミのジレンマ」です。
で、これが「人間にも当てはまる」というのが今回の記事内容です。
パーソナルスペースを越えない
皆さん「パーソナルスペース」という言葉は聞いたことがありますか?
これは以下のようなものです。
人はこの「パーソナルスペース」を各自で持っています。
そして上記にある通り、この広さは各自で異なります。
広ければ広いほど、他人と距離を置く人と言えるし、狭い人ほどその距離も近いということになります。
つまりこんな感じです。
パーソナルスペースが狭い人・・・他人との距離が近い
皆さんの中にもよく、やたら近い距離で会話をするような人っていませんか?
そういう人はきっとパーソナルスペースが狭い人なんだと思います。
ちなみに私は結構パーソナルスペースが広めです。
だから距離が近い人はちょっと苦手…
そしてこれは物理的な人と人との距離だけの話ではなく、内面的な距離感の問題にも当てはまります。
たとえば、人によっては自分のものすごくプライベートなことまで話しても結構平気な人もいれば、逆に自分の個人的な話はあまりしたがらない人、秘密主義な人もいます。
だから、パーソナルスペースが狭い人が広い人に対して、ぐいぐいとプライベートなことにまで触れようとすると、その相手は不快に感じて傷ついたり、その人から逃げてしまうということもあるでしょう。
また、パーソナルスペースが広い人は、自分のことだけでなく、相手のプライベートに対しても触れたがりません。
なので、パーソナルスペースが狭い人からのプライベートな相談というのは、広い人にとっては苦手と感じる場合もあります。
まとめるとこんな感じです。
パーソナルスペースが狭い人・・・自分のプライベートなことでも他人に話して平気。だから、相手のプライベートなこともいろいろ聞きたい。
ということで、「心地よい他人との距離感」というものは各自でそれぞれ違うので、パーソナルスペースが広い人と狭い人とのコミュニケーションというのは結構難しいと言えます。
実際のコミュニケーションでは以下のようなことがよく起こります。
私はもっとあなたと近づきたい!
私はそこまでは嫌だ。そんなに近づいて来ないで!
どうして?悲しい…
こんな感じになってしまい、お互いがぎすぎす傷ついてしまうということがあります。
「一方のパーソナルスペースをもう片方が越えてしまうと、お互いがケガしてしまう」ということです。
人との上手な付き合い方とは
では、どのように付き合っていくのが上手なコミュニケーションかというと、それは以下になるでしょう。
これに尽きると思います。
ただし、「相手が心地よいと思っている距離感」というのは、なかなかそう簡単にはわかりませんよね。
勘が鋭い人だったら「この人はこれぐらいの距離感が心地よいと思っているな…」というふうに、相手の距離感を始めから上手に測れる人もいますが、これは結構普通は難しいです。
でもだからと言って、距離感がわからないから自分は誰ともコミュニケーションを取らない、というのは悲しすぎます。
私は以下が大事なんだと思います。
・そして「トライ&エラー」の繰り返し。
具体的に言うならこんな感じです。
↓
そしてある程度近づいていって、相手がいまいちな反応を示したり、あからさまに嫌がったりしたら、そこでもう距離をつめることはしない。
↓
で、また時間をかけて仲良くなっていったら少し距離をつめてみる、という繰り返し。
これは恋愛でも同じようなことが言えるでしょう。
「ハリネズミのジレンマ」が恋愛話でよく使われるのはこのためです。
いずれ、「自分の好きな距離感と相手が好きな距離感は違う」という認識を持つことが大事だと思います。
不登校の人の場合【誰かとつながる】
最後に不登校の人の場合について少し書きますね。
不登校の人は、「距離が近い人」と「距離が遠い人」の両極端が多い気がします。
近い人は傷つくことが多くなりがちだし、遠い人は孤独になりがちです。
どちらも決して上手なコミュニケーションとは言えないので、どちらのパターンも、上手な距離を保ってコミュニケーションを取ることができる、気の許せる誰かを作ってほしいなと思います。
それは別に友人でなくてもいいです。
親や兄弟、学校の先生などでも全然構いません。
誰でもいいから上手な距離を保てる人とコミュニケーションを取り続けることによって、だんだんと上手に付き合っていける人の数も増えてくるはずです。
ハリネズミのように、傷ついてもダメだし、寒さで凍えてもいけません。
一人でもいいので「自分も心地よくて、相手も心地よいと感じる、ちょうどよい距離感の誰か」とつながっていてほしいなと思います。
まとめ
では今回の記事をまとめます。
・それを知らないと距離をつめたときにお互い傷ついてしまうことがある
・だからコミュニケーションは時間をかけてゆっくりじわじわ慎重に
・誰でもいいからちょうどよい距離感の人を見つける
最後まで読んでいただきどうもありがとうございます。
ではまた。
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