こんにちは。
元高校教師えむへいです。
今回は「不登校生のスマホの使い方」をテーマにした記事を書いていきたいと思います。
毎日朝から晩までずっとスマホゲームばかりで
一つも勉強している様子がない…
SNSで知らない人とつながっていそうで心配…
スマホを無理やり取り上げた方がいいのかな…
こんな感じで、子どものスマホの使い方について悩みを抱えている親御さんは多いと思います。
また、不登校の子どもたちは当然ながら普通に学校に通っている子ども以上に自宅に長い時間いるので、より一層スマホに依存してしまう傾向があります。
そのため、不登校の子どもを持つ親御さんの悩みや苦労はなおさら大きいものと思われます。
この記事を読むことで「不登校の子どものスマホ依存」を解決する手がかりが見つかれば幸いです。
今回は少し記事が長いので、先に今回の記事のキーワードだけお伝えします。
キーワードは「親子の信頼関係」です。
「親子の信頼関係」が子どものスマホ依存を解決する鍵になると私は考えます。
【不登校】子どものスマホ依存の解決法
まずは子どもたちが「スマホをどのように使っているか」を確認していきます。
子どもは何にスマホを使っているのか
子どものスマホの使い方は大きく以下の3点に分けられるでしょう。
②ゲーム
③SNS
ほかの使い方もあるとは思いますが、だいたいこの3点に絞られるでしょう。
で、はっきり言って①の「調べもの」の場合であれば、親としては別に文句はありませんよね。
何か犯罪につながるようなこととか、いかがわしいものばかり調べている場合は除いて、進路のこととか、知識・教養系のものを調べるのであれば特に問題はないですよね。
親としてはむしろ「どうぞどうぞ」っていう感じです。
心配なのは「ゲーム」と「SNS」
問題は②や③の場合ですよね。
②の「ゲーム」についてはどちらかと言えば男子に多く、③の「SNS」についてはどちらかと言えば女子に多い傾向がありますね。
まず②の「ゲーム」についてですが、これは頭を悩ませている親御さんも多いと思います。
朝から晩まで一日中ゲームばかりやって、一緒に食卓を囲むのもままならなかったり、なんだったらゲームをしながらご飯を食べたり…
あとは夜中から朝方までずーーっとやっていて昼夜逆転になっていたり…
親に無断で課金をしたりとかの問題もあります。
それでいて勉強はまったくしないとなると、親としてはもう「きーっ!」ってなったりしますよね。
③の「SNS」については、女子に多い「犯罪巻き込まれ」や「いじめ」が親御さんからすれば心配なところです。
ゲームの場合と同じく、食事の最中でもLINEやインスタを見て返信に追われていたり、またTwitterで見ず知らずの男性とつながっていたりすると親としては心配になります。
このように、「②ゲーム」と「③SNS」が親としては特に頭を悩ますものとなっているでしょう。
でもそれぞれ良い面もある
でも物事には何にでも良い面と悪い面があるように、これらにも悪い面ばかりあるわけではないんですよね。
「②ゲーム」についてですが、今の親世代は「ファミコン」や「プレステ」など完全に「ゲーム世代」に当てはまると思います。
私も昔、「ごはんだよ~」って言われてもなかなか食卓に向かわずに、よく母から怒られていました…
それに最近は大人でもゲーム三昧な人が多いです。
やっぱりゲームは普通に面白いですよ。ストレス発散にもなりますし。
大人よりも娯楽の幅が狭い子どもであれば、なおさら時間を忘れて没頭してしまうのもわかります。
そもそもゲームを作る側もそうなるように作っていますしね。
「③SNS」についても良い面はたくさんあります。
SNSによって私たちの世界は格段に広がりました。
たとえば、同じ悩みを持った人同士でつながることで、そこで気持ちの共感や問題の解決方法などを共有できるようになりました。
このブログだってそうです。
自分の知りたい情報を今は簡単に手に入れることができるようになりました。
しかし一方ではやっぱり悪い人たちもいて、その人たちと自分の子どもがつながるのが心配という面はどうしてもあります。
でもそもそも「SNS」というのはその名の通り、「ソーシャル(社会)」なネットワークシステムなので、リアルの社会と同じように良い人もいれば悪い人もいるのが当たり前なんですよね。
「適度に」「上手に」使えれば問題ないが…
要するに中身の問題、程度の問題なんですよね。
適度に遊べればゲームはストレス発散になるし、上手に使えればSNSはとても便利なものです。
でもこの「適度に」とか「上手に」というのがまたクセモノで、どのような使い方が適度で、どのような使い方が上手なのかっていうのは結構線引きが難しいんですよね。
たとえば、プロゲーマーなどゲームをすることを仕事にしているような人はきっと子どもの頃から一日中ゲームをしていた人が多かっただろうし、また、今IT業界で社長をしているような人はおそらくご飯も食べずに朝から晩までSNSやプログラミングなどに没頭していた人も多くいるでしょう。
「好きこそものの上手なれ」のパターンです。
だから結局は、どの程度だったらOKで、どの程度だったらNGなのかというのは、それぞれの家庭内の価値観、教育方針によって異なってくるんですよね。
「スマホ依存」ってどういう状態?
そもそも一般的には一体どのような状態が「スマホ依存」と言えるのでしょうか。
まず「依存」という言葉の意味を確認したいと思います。
「依存」…他に頼って存在、または生活すること。
上記のように、「依存」という言葉自体には別に悪い意味はないんですよね。
人は多かれ少なかれみんな「他に頼って生活」してますし。
だからこの観点で言えば、きっと多くの大人や子どもはそもそもみんな「スマホ依存になっている」と言えます。
ただし次のような言葉もあります。
「依存症」…ある物事に依存し、それがないと身体的・精神的な平常を保てなくなる状態。
こっちですよね、今この記事で話題にしている「依存」は。
「薬物依存症」・「アルコール依存症」・「ギャンブル依存症」などはこの典型とも言えます。
で、今回話題にしている「スマホ依存(症)←以下略」については上記の意味を家庭レベルに少し置き変えて、以下の基準で依存しているかどうかを測ればいいと私は考えます。
日常生活に支障をきたすほどスマホを触っているかどうかというのが「スマホ依存」を見分けるポイントになると私は考えます。
したがって、以下のようになります。
・日常生活に支障をきたしていなければ「スマホに依存していない」
生活習慣がきちんと整っているのであれば、スマホをたくさん触っていても別に問題ないと私は考えます。
逆に、スマホのせいで生活が乱れまくっていたらNGということになります。
日常生活に支障をきたすレベルって?
では「日常生活に支障をきたす」とは、たとえばどのような場合を指すでしょうか。
以下に私が考える日常生活に支障をきたすレベル(NGレベル)、支障をきたさないレベル(許容レベル)の具体例を挙げてみます。(高校のとき不登校だったうちの子どもに実際に行った具体例です)
・食事中にスマホをずっと離さないのもNG
・でも食事以外スマホを離さないというのは許容
・一日中ゲームをしているのも許容(ただし何日もずーっとやっていたらさすがに少しチクリと注意)
・朝までゲームをしているのはさすがにNG
・ゲームの無断課金は絶対NG
・SNSをずっとやっているのは許容(でも時々「大丈夫か」とは注意)
・SNSで見知らぬ人と無断で会うのは絶対NG
まあこんな感じです。
実際こんなふうな感じで子どもにはスマホを使わせていました。
でもこれはあくまで私の家庭での基準によるものなので(しかも子どもは高校生)、それぞれの家庭の教育方針で多少変わってくると思います。
もっとスマホ以外の生活を子どもにしてほしいと考えるならば、上記の私の基準は甘めだと思いますし、逆にもっとゲームでたくさん学ばせたいとか、もっとSNSでもいいから人付き合いをしてほしいと考える家庭もあるかもしれませんしね。
やっぱり結局は、その判断基準は家庭で異なるということです。
「ご自分の家庭の基準」に照らし合わせて「生活に支障をきたしているのかどうかを判断する」というのが大事でしょう。
スマホ依存に効果がある具体的な解決方法とは
ここからはより具体的な話になります。
具体的にどうすれば「スマホ依存(生活に支障をきたすレベルのスマホ使用)」を解決できるかという話です。
私は以下の2点をおすすめします。
②何かあったら相談させる
①親子で話し合ってルールを決める
何事にもルールって大事ですよね。
したがって、もしお子さんのスマホの使い方が親御さんから見てよろしくないのであれば、ぜひご家庭でスマホの使い方についてルールを決めることをおすすめします。
たとえばこんな感じで。(えむへい家のルールです)
・昼夜が大逆転になるほどスマホは使わない
・勝手に課金をしない
・SNSの使い方には十分気をつける
こんな感じでしたね。
そんなに厳しくはなくてむしろ緩めかもしれません。
でもうちはこれで特に問題はありませんでした。
ただ先述した通り、このあたりは各家庭によって状況は変わってくると思います。
でもここで一つだけ大切なことがあって、それは何かというと以下です。
ルールを設けるからにはきちんと守ってもらわないと困りますよね。
で、守ってもらうためにはルール作りを「子どもと一緒に」やった方が断然いいです。
そうすれば子どもも「自分で決めたルールだから守らないと」と少しは感じますし、後で何かルールが守れないことがあったときには、親の方から「自分で決めたルールだろ」って突っ込めますしね。
あと、うちは高校生だったので実践しませんでしたが、お子さんが小学生や中学生くらいでしたら決めたルールを「紙に書く」というのもありだと思います。
いずれにせよ「子どもと一緒に子どもが納得するルールを作る」ということが大切です。
②何かあったら相談させる
ルールをきちんと決めても心配は尽きません。
子どもによってはまだネットリテラシー(スマホ使用についての知識や能力)が未発達な子も多いです。
たとえばSNSでトラブルがあった場合、一人で勝手にあーだこーだ悩んで結局どんどん深みにハマるということもあります。
また、勝手に変なサイトにアクセスして、訳のわからないボタンを押してしまってそこからドツボにハマるということもあります。
両方とも極端に子どもの視野が狭いために、スマホでのトラブルをスマホだけで解決しようとしてしまっているものです。
これも一種のスマホ依存だと考えられます。
このような時に必要なのが「親に相談」です。
だいたい問題が起きる時というのは、親に内緒で勝手にいろいろやってしまった時です。
何かあったらすぐ相談するように子どもに話しておけば未然に防げることがたくさんあります。
結局すべては「親子の信頼関係」
上記の2点「ルール決め」と「親に相談」にはそもそも以下の大前提があります。
結局この記事で私が一番言いたいことはこの「親子の信頼関係の重要性」です。
スマホのルールを一緒に決めるのも、そもそも親子の信頼関係がなければなかなか決められません。
何かあった時でも信頼関係がなければ子どもは親に相談してくれません。
逆に信頼関係があれば、たとえルールを破った場合でもきちんと注意を聞いてくれることが多いはずです。
SNS上のトラブルや変なサイトにアクセスしそうになった場合でも、親にすぐ相談してくれれば未然に防ぐことができます。
でもこの「親子の信頼関係」というのは、もうすでにある程度築けているご家庭ではいいのですが、いまいちな関係性の場合だとなかなか簡単には築けなかったりするんですよね。
「親子の信頼関係」については以前に記事にしていますのでここでは詳細は割愛しますが、私は「会話」(雑談、おしゃべり含む)が一つのポイントだと考えています。
私はよく子どもと「会話」をしていました。
スマホの場合でもちょくちょく「やりすぎじゃない?」とか「SNS気をつけろよ」とか話しかけていました。
子どもの機嫌によっては煙たがられるときもありましたが、でもめげずに声を掛けていました。
ただやはり親子の信頼関係の構築って、なかなか一朝一夕にはいかないので本当に難しいですね。
「無理やり取り上げる」について
ここでちょっと注意ポイントです。
ここまで見てきたように、スマホは基本的にはとても便利なものです。
我々の生活にはもうなくてはならないものになっています。
人間は一度その便利さに慣れてしまうと、もうそれを手離すということはなかなかできません。
これは大人だけでなく子どもにも当然当てはまります。
だから大人同様に子どもも「スマホがないと生きていけない」状態になっているというのは、ある程度は親として受け入れる必要があります。
したがって下記のことが言えます。
なので、よほどのことがない限り子どものスマホを無理やり取り上げるということは私はあまりおすすめしません。
理由は以下のリスクが伴うからです。
何でもそうですが、「無理やり」だとその後の人間関係を上手に維持しづらくなってしまいます。
先述の通り、「親子の信頼関係」が「子どものスマホ依存解決」のキーポイントだと私は考えているので、なるべくその関係性を壊すようなことはしたくないんですよね。
あとは無理やり取り上げたとして、その後また返却した際に今度はもっとめんどくさいことが起きる可能性も考えられます。
たとえばこんな感じです。
・今度はもう親に手渡さない
・今度は親にバレばれないように悪知恵を働かす
・以前はやらなかったこと(無断課金やSNSで人と会う)までする
「無理やり取り上げられた」という子どもにとって強烈な出来事の反動によって、今度はさらに酷いことをやらかすという可能性もあるんですよね。
なので、基本的にはスマホを無理やり取り上げるという行為は私はおすすめしません。
でも例外はある
ただし「よほどのこと」があった場合は話が変わってきます。
「よほどのこと」というのは、たとえば下記のようなものです。
人間の重大事項は「命」と「お金」と言われますが、やはりそれらに触れるようなことをした場合には、さすがに少々荒療治になってしまいますが、ある程度のペナルティは必要になってくると思います。
①については私だったら子どもが一度でもそのようなことをしてしまえば一発でいったんしばらくの間は取り上げると思います。
取り上げる期間については犯した内容と子どもの反省具合によって変わってくると思います。
②や③の線引きについては、程度や回数によって異なってくると思います。
初めて犯してしまった過ちで、その内容が軽めでしかも本人もきちんと反省しているようであれば、取り上げるということはしないで注意で様子を見るという場合もあるでしょう。
でも、何度目かの過ちでしかもその内容が重めでかつ本人の反省も見られず、事の重大さが今一つ理解できていないような場合であれば、やはり一度預かるということも十分私はしていいと思います。
要するに、さすがに「ひどく悪いこと」をした場合には「取り上げる」というペナルティが必要になってくることもある、ということです。
いくら不登校で子どもに気を使うことが多いとはいえ、でも悪いことをしたときには「ダメなものはダメ」と注意をしても全然OKです。
むしろちゃんと叱った方がいいです。
何でも無条件に優しくして遠慮するのはかえって不登校の子には逆効果な場合があります。
スマホ「軽」依存の場合はどうすればいいか
特に悪いことはしていなくて、生活習慣もそんなに乱れていない「スマホ軽依存」の場合の話をしたいと思います。
具体的には下記のような例です。
・スマホを一日中ずっと使っているが、でも食事は家族とちゃんと一緒にとる
・日中ずっとスマホでゲームやYouTubeばかりで勉強はまったくしていない
これらについては、不登校の場合であれば基本は「許容」だと私は考えます。
親としては勉強もまったくせずにスマホばかり触っている子どもを見ると、親御さんによっては気が狂いそうになる場合もあるとは思いますが、でもここはある程度は「待つ」しかないと私は思います。
目には見えないのですが、でもその間は子どもの体力や気力は確実に貯まっていってると考えられるからです。
なので、この間はまずは親子の信頼関係は維持するように努めることをおすすめします。
ただ場合によっては、あくまで子どもの状態にもよりますが、少しだけルールを厳しく修正(使用時間を短縮、代わりに〇〇をやることにする等)するなどは行っていいかもしれません。
でもこの場合も、子どもが納得しないくらいの厳し過ぎるルール修正はおすすめしません。
そもそも子どもは本当にスマホを楽しんでいるのか
最後にもう一つだけ注意点です。
今お子さんはそもそも本当にスマホが楽しいんですかね。
確かにゲームやYouTube、SNSなどが本当に楽しくて、思いっきりのめり込んでしまっている子もいるでしょう。
しかし一方では、「辛い現実からの逃避」「ただなんとなく惰性で」「すでに飽きてるけど家にいて他にやることがない」などの理由により、一日中スマホを手に取っている場合も十分考えられます。
子どもは今どの状態なのか。
本当に楽しんでハマってしまっているのか、それとも上記のようなネガティブな理由からのものなのか、またその両方が混在しているのか。
これらを親としてはある程度見極める必要があります。
子どものその時の状態によって対応が異なってきますので。
そのためには、すでに述べた「親子の信頼関係を維持」し、普段から子どもと「会話」を重ねたり、子どものことをよく「観察」したりすることが大切です。
「良好な親子関係の維持」というのは、特に思春期や反抗期の子どもの場合とても難しいんですけど、でもやっぱりとても大事になってきますね。
まとめ
では今回の記事をまとめます。
・ゲームやSNSにも良い面がある
・だからよほどのことがない限り無理やり取り上げることはしない方が良い
・でもよほどのことがあった場合は別
・悪いことをしたときは遠慮せずに普通に叱るべし
・日常生活に支障をきたすレベルがスマホ依存
・親子で一緒にルールを決める
・何かあったら親に相談させるようにする
・そのためには日頃から良好な親子関係を維持しておく
・子どもが本当にスマホを楽しんでいるのかも見極める
今回の記事は以上です。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
ではまた。
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