こんにちは。元高校教師のえむへいです。
今回は不登校生にとって大事な「居場所」について書いていきたいと思います。
今回の記事内容は以下になります。
・不登校生が居場所を見つけるためには
・親が子どもに居場所を与えるときの注意点
・居場所として具体的にどのような場所があるか
不登校生にとっての「居場所」とは
不登校生にとって「居場所」というのはとても大事なものです。
そもそもこれは不登校生に限ったことでもありません。
人は「自分の居場所」というものがないと本当にしんどいです。
「自分の居場所」とはこんな感じの場所のことですね。
私は家で猫を飼っているんですが、ウチの猫だって自分の居場所をちゃんと確保しています。
ソファの下にいるのが落ち着くニャン
人間だけじゃなく、動物全般にとって「自分の居場所」というのは、もう生きていく上で絶対になくてはならないものと言えるでしょう。
不登校生は居場所がないとしんどい
ということで、不登校生にとっても居場所は絶対に必要です。
もし鳥だったら羽を休める場所が必要です。ずっと飛びっ放しだと疲れてしまいますから。
人間の場合は、居場所がないと常に緊張状態のままで、心が休まりません。
特に不登校の人たちはエネルギー不足に陥っているため、もし心から休める場所がないと、エネルギーが空っぽになってダウンしてしまいます。
不登校生が居場所を見つけるためには
居場所には「場所の問題」と「人の問題」があります。
場所はどこだっていい
場所はほんとにどこだっていいです。
優先すべきは「自分の気持ち」です。
自分がそこにいて落ち着ける、安心できる、心からゆっくり休める場所というのがいちばん大事です。
ちなみに私は自宅のベッドと近所の入浴施設がいちばんゆっくりできます。
何か辛いことがあったり、ゆっくりしたいなあと思った時にいつでも行ける、緊急避難場みたいなところがいいですね。
安心できる人がいる場所に行く
そこに誰がいるかという「人」の問題もあります。
自分にとってとても落ち着く相手、安心できる相手がいる場所がいいですよね。
反対に、その人がいることで不快に感じたり、落ち着かなかったりする場所は居場所としては適さないです。
一人でゆっくり休みたいと思う人は、誰もいない場所を選ぶか、いても自分とは関係がなく、人の目が気にならないような場所がいいでしょう。
私も一人が好きだからベッドや、周りに自分のことを知っている人が誰もいない入浴施設が落ち着きます。
居場所作りの注意点
最初は居心地が悪く、自分の居場所ではないと感じる場所でも、時間が経つにつれてだんだんとその場に慣れて、その後自分にとって良い居場所になる、ということも中にはあります。
でも、エネルギーが不足している不登校生にとっては、その慣れを期待している間にエネルギーが0になってしまうリスクの方が怖いです。
何でもそうですが、「0」になっちゃうと再び立ち直るのに時間がかかってしまうからです。
だから少しはエネルギーを残しておきたいです。
親が子どもに居場所を与えるときの注意点
親が子どもに居場所を与えるときの注意点はたった一つだと思います。
それは下記。
不登校生の親御さんの場合、自分の子どもが学校に行けないとなると、まず考えるのは「適応指導教室」や「フリースクール」などの施設だと思います。
確かにそのような施設でお子さん心の平安を取り戻すということは十分あり得ます。
また、これらの施設にはきちんとした専門家もいますし、最近はこれらへの通学が学校の出席として認められることもあります。
だから「親」としては安心な場所です。
しかし、お子さんによってはそういう場所でも心が休めない場合が残念ながらあり得ます。
多少もうこれは「相性の問題」だったりもしますので、そこの先生と合わないとか、同年代の人たちとも合わないとかはやっぱりどうしてもあります。
また、そもそもそこまで通う元気やエネルギーがまだ全然ない、ということもあるでしょう。
そんな子どもの気持ちや状態を気にも留めずに無理やり行かせたりしてしまうと、子どもはますます疲弊してしまいます。
なので、場所に関してはどこでもいいので、とにかくまずはお子さんの心をきちんと見てあげて、場所はお子さんの好きに決めさせる、というスタンスが必要だと思います。
ここはぐっと我慢して、親御さんではなく、お子さんが安心できる場所を見つける手助けをしましょう。
具体的にはどのような場所があるか
では具体的に不登校の人たちの居場所になりそうな場所をいくつか例として挙げてみます。
プライベートでの居場所
まず、プライベートな場所を考えた場合の不登校生の居場所としては、以下が挙げられます。
・自宅の居間
・自宅の風呂
・親戚の家 など
やっぱり物理的にも精神的にも人間の基本は自分の「家」です。
そもそも自宅が自分にとって落ち着かないとなると、基本いつでも辛くなってしまいます。
欠席が多かったり保健室登校の生徒の中には、この「家に自分の居場所がない」というパターンの子が結構多かったです。
自分の部屋でもいいし、居間のどこか一角でもいいし、お風呂など、ほんとにどこでもいいので、とにかく「ここにいたら何となくリラックスできる」という場所があればいいです。
自宅でなくても、おばあさんの家によく行っている生徒も教え子の中にはいました。
学校での居場所
次に学校内における不登校の人たちの居場所について挙げていきます。
・保健室
・相談室や別室
・職員室
・部活(部室)
・図書館
・中庭
・階段の踊り場
・トイレ など
家で落ち着く場所があったらとりあえずはOKなんですが、不登校の人たちが学校復帰を考える場合、やはり「学校での居場所作り」というのはとても大きな問題ですよね。
普通に自分の教室で居心地の良さを感じられればいいのですが、それが難しいから不登校になっているわけで…
ということで、上記は自分の教室以外の場所の例を挙げてみました。
保健室や相談室などでは、保健の先生やスクールカウンセラーの先生などと話ができたりしますよね。
あとは私が教員時代は、職員室にやって来て特に用もないのに私に話しかけてくる生徒もいました。
その場合はたいてい昼休みでした。昼休みって不登校生にとっては辛い時間帯のことが多いですよね。
あとは、教室には居づらい生徒同士でよく中庭や階段の踊り場、トイレなどでだべっているのを見かけたりしていました。
先生方の間では、そういうのを見かけたら注意して自分の教室に戻さなきゃいけないことになっていましたが、私はなかなか注意しづらかったですね。
いずれ学校は基本的に誰かはそこにいるのが前提で、なかなか一人になれる場所は少ないので、一人になりたい人にとってはちょっと苦しい空間かもしれません。
学校以外の公的施設での居場所
・フリースクール
・病院
・図書館
・本屋
・カフェ など
上記の上半分あたりは、相性次第では居心地が良い場所となりますが、なかなかそうならないこともあります。でも学校復帰の練習にはちょうどいいかもしれません。
あとは心療内科的な病院に行って、そこで先生とお話をするというのもあるでしょう。
図書館や本屋、カフェなどでゆっくり自分の時間を過ごすというのもありですね。
その他の居場所
・塾
・家庭教師
・児童相談所
・警察 など
上記はちょっと番外編的な感じなんですが、自分の心地よい居場所というのは何も物理的な空間だけではないので、ツイッターやインスタなどネットの中で癒される、ということも十分あります。
あとは塾や家庭教師の先生と一緒にいる空間だったり、これも私の教え子にいましたが、児童相談所や警察の人と仲良くなって話を聞いてもらうのが落ち着ける、という生徒もいました。
まとめ
・場所はどこでもいい
・とにかく自分の好きな場所、好きな人がいるところを見つける
・親ではなくあくまでも子どもの気持ちが最優先
いずれとにかくどこか一つでも居場所がないと心が苦しいので、今全然ない人はぜひどこでもいいから見つけてほしいです。
以上です。
最後まで読んでくれてどうもありがとうございました。
ではまた。
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