こんにちは。
元高校教師えむへいです。
新型コロナウイルスの影響もあって、最近「ホームスクーリング」という言葉を以前にも増して耳にするようになりました。
そこで今回はこの「ホームスクーリング」をテーマに記事を書いていきたいと思います。
「ホームスクーリング」とは
まず始めに、ホームスクーリングとはどのようなものなのかを確認していきます。
まあ、その名の通りですよね。
要するに「自宅学習」ということですね。
世界でのホームスクーリング事情
一応まず先に、海外でのホームスクーリング事情を簡単に見ていきたいと思います。
世界的にはアメリカがホームスクーリング先進国のようです。
でも、その歴史はあまり古くはなく、90年代に入ってから広まっていったそうです。
また、他の国だと、イギリスやドイツなどでも比較的多くの家庭で取り入れられているようですね。
でもただ一口に「ホームスクーリング」と言っても、国によって意味が少し異なったり、取り扱い方にも違いがあるようです。
たとえば、法律できちんといろいろなルールが決められている国もあれば、厳密な法整備はされてなく、自由に家庭の裁量に任せられている国など、けっこう国によって対応が違うようです。
あとは、ホームスクーリングを選ぶ「理由」についてですが、海外の場合はいろいろあるみたいですね。
主な理由は以下です。
・宗教上や思想上の理由のため。
・学校の教育に納得がいってないため。
・自宅で英才教育をしたいため。
・芸能活動を行っているため。
・健康上の理由のため。
・いじめなどで不登校のため。
アメリカだと田舎で近くに学校がないということもあるんですよね。
あとは宗教や思想の問題というのも海外ではよく聞く話です。
それから、学校の教育では不十分と感じ、自宅で英才教育を施すというのも海外っぽいですよね。
実際に海外ではホームスクーリングだけで、超難関大学の「マサチューセッツ工科大学」に合格するような子どももいるんだそうです。まあ特殊なケースだとは思いますが…。
芸能活動というのも理由としては十分考えられますよね。売れっ子だと学校に行っている時間なんてないですし。
健康上の理由やいじめなどにより、普通の学校には通えない子どもというのも、もちろん海外でもありますね。
いずれにせよ、教育を受ける機会が「学校だけ」だとさまざまな弊害があるので、だから「ホームスクーリング」というものが存在し、また広がってきたのは、ある意味必然と言えるでしょう。
日本でのホームスクーリング事情
では、一方、我が国日本でのホームスクーリングはどうなっているのかというと、はっきり言ってまだかなり遅れていますよね。
残念ながら、「ホームスクーリング後進国」と言わざるを得ないでしょう。
しかし最近はだいぶその方向に進みつつあるとは思います。
方向に進んでいるというか、理解が進んでいるという感じですかね。
でもやっぱり法律などのルールもまだきちんと整っていませんし、学校関係者を含め、世間一般での理解もまだまだ進んでいないというのが現状だと感じます。
「通信制高校」や「定時制高校」については、だいぶ以前よりは世間の理解が進んできたとは感じますが、でも結局は「学校に通う、学校に在籍する」というのには変わりありませんからね。
まあ良い悪いは別にして、日本はとにかく「学校」をとても重視する、「学校神話」みたいなものが特に強いお国柄かもしれませんね。
日本でもホームスクーリングがもっと一般的に広まってもいいと強く感じます。
「ホームスクーリング」を行う際の注意点
そんな「学校に通うことが当たり前」の日本において、学校に通わないというホームスクーリングを選択するということは、やはり相当の苦労や覚悟も必要となってきます。
ですので、現状の段階で「なるべく波風立たせずにスムーズ」にホームスクーリングを始めるには、どのような点に気をつければいいのかということを説明します。
ポイントになるのは以下の3点です。
②自宅でどのように勉強するかを決める
③子どもの人間関係に配慮する
①学校に対して「行かない」という意志を伝える
まずは学校に対して「学校には行かない」という意志を伝えましょう。
2019年に文科省から「学校に登校するということだけを目標にはしない」という不登校関係の通達が出されました。
しかし、実際の現場の先生方はその立場上まだまだ「学校に来るのが当たり前、学校に来るようにさせなきゃ」と思っている先生方が多いです。
そのため、ホームスクーリングをするというこちらの意志をある程度きちんと伝えないと、いつまでも学校の先生から学校に来い来いという連絡が来続けてしまいます。
また、学校に行かないということを伝えることで、給食費や他の諸経費が場合によっては支払わなくてよくなる場合もあります。
別に途中で方針が変わってもいいんですよ。
子どもの状態的に「やっぱり学校に通わせた方がこの子のためになるかも」とか、子ども自身が「やっぱり学校に通いたい」と考えが変わることもよくあることです。
だから言い方としては「しばらく学校には行きません」という言い方がいいかもしれません。
学校側もそれに合わせた対応をしてくれるはずです。
なので、戻った時のことやその他いろいろなことを考えると、ホームスクーリングをしていても定期的には学校と連絡は取っておいた方がいいかもしれませんね。
②自宅でどのように勉強するかを決める
自宅での勉強方法については以前に詳しく記事にしています。
ここでは簡単に基本的なポイントだけを挙げます。
・完全に一人で勉強をするのは結構きつい
・スケジュール管理がきちんとできるかがその後の結果に大きく影響する
市販の問題集でもいいんですけど、おすすめは以下のようなオンライン授業や教材の方が子どもにとっては取り組みやすいと思います。
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また、子どもによっては可能だとは思いますが、普通一般的な子どもの場合、学力やモチベーション的なものも考えると、やはり完全に一人独学で勉強するというのはなかなか大変なことだと思います。
そういう意味では下記のような家庭教師や個別塾などの利用も選択肢の一つに入れた方がいいと私は思います。
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まあ、家の人がガンガン勉強を教えられるような環境だったら、別にこういうのはいらないんですけどね。
でも実際はお仕事もあるし、なかなか厳しいですよね。
あと、スケジュール管理もポイントとしてはかなり大事です。
自分で計画を立てて、それをきちんと実行するというのは大人でも簡単なことではありません。
まして子どもの場合、楽な方に流れてしまうということはよくあることです。
そういう意味でもやはり、家族の誰かや家庭教師などの他者がサポートしてあげた方がいろんな面でメリットがあると感じます。
③子どもの人間関係に配慮する
子どもの人間関係はほとんどが学校で作られます。
ということは、学校に行かないと子どもの人間関係は作りづらくなります。
勉強面だけでなく、この人間関係構築の面もホームスクーリングを選択する場合の大きなネックになっています。
やっぱり学校で共に過ごす時間がないと、たとえそれまで友達だったとしても、だんだんと疎遠になっていくんですよね。
お互いに共通の話題も少なくなりますし。
で、この場合の考えられる対策は以下です。
でも、これは普段のお子さんの性格や、相手の子がどんな子かによっても違ってくると思います。
そもそもあんまり人と遊びたがらない子どもも普通にいますからね。
親としてはなるべく子どもの人間関係を極端に狭いものとしない工夫はしたいですよね。
家族以外の他者との関係作りというのは、将来社会で生きていくために必要なコミュニケーション能力を養うことにつながるので。
でも、完全なホームスクーリング状態だとこれがなかなか難しくなります。
うちの子も結局は通信制の高校で出会った子と仲良くなったりしたので。
この場合の対策としてはたとえば以下のようなものが考えられます。
友達がいなければ、親戚や近所の人でもいいんですよ。
あとは、SNS上の人だって別にいいと思います。
「直接会って話す」だけがコミュニケーションではありません。
「文字」のやり取りも十分コミュニケーションの一つです。
要はとにかく「家族以外の他者と何かしらのコミュニケーションは取らせ続けたい」ということです。
これは将来完全に「引きこもり」や、いわゆる「コミュ障」になるのを防ぐためです。
そういう意味ではすでに述べた「家庭教師」や「個別塾」などはやはりおすすめですね。
ホームスクーリングを続けた場合の進路はどうなるか
気になる「ホームスクーリングのその後」についてです。
高卒の資格はやはり欲しい
ホームスクーリングをいつからいつまで行っていたかによって、進路は多少変わってくると思います。
もし小学校や中学校の間だけホームスクーリングをしていて、高校では全日制なり通信制なりの学校に入学したのなら、それは一般的な人たちと何も変わりません。
高校での先生方の指導や支援を受けて、自分の進路実現を果たすのみです。
問題は、中学校を卒業した後に「高校へは行かずにホームスクーリングを続ける」場合です。
結論から言うと、「高卒の資格はほしい」ということです。
世の中的には「〇〇高校卒」とか「〇〇大学卒」とかの、いわゆる「学校名」の学歴は以前と比べてだいぶ重要視されなくなりました。
でも、「どこでもいいからまずは高校(大学)を卒業しておいてほしい」と考える企業や、それを受験要件にしている資格はまだまだたくさんあるのが現状です。
コンビニなどのアルバイトですら、高卒の資格を要件にする場合もありますしね。
そういう意味ではまだ日本は学歴社会なんですよね。
ですので、欲を言えば、ホームスクーリングはそのまま続けててもいいので、通信制の高校に入学するなりして、なるべくだったら高卒の資格は取っておいた方が、後々のことを考えると良いのではないかと私は感じます。
ちなみに、高卒の資格を取らずに大学に行くということも可能です。うちの子どもがそうでした。詳しくは下記の記事に書いています。
ホームスクーリングの間に何をどれだけ頑張るかが重要
ホームスクーリングの進路を考えた場合、ポイントになってくるのが以下です。
ホームスクーリングの間は、ある程度時間もありますし、またその時間をどのように使うかも自由です。
その分、何をどれだけ頑張るかが大事になってきます。
まずは普通に学校に通う子どもが身につけるであろう最低限の学習内容や能力は、ぜひホームスクーリングを行う子どもにも身につけさせておきたいところです。
「5教科の勉強」については前述の通り、何かの教材を使って基礎的な力を身につけておきたいです。
一方で、ホームスクーリングで特に困難なのは、「その他の実技教科系」です。
たとえば体育については、最低限運動不足に陥らない程度には体を動かす機会を設けましょう。
あとは家族で美術館や博物館などに、家族でお出掛けがてら行くのもいいですね。
私の家族は、高校を辞めて修学旅行に行けなかった子どものために、擬似的に家族で修学旅行に行きました。「旅行のしおり」もちゃんと作りました笑
という感じで、まずは普通の学校生活で身につけたり、体験するようなことは、ホームスクーリング中でもなるべく行うように仕向けたいものです。
そしてもっと大事なのが「+α」の部分です。
せっかく自由にいろいろなことを学ぶ時間と機会があるわけですから、何か普通に学校に通っている子どもたちにはできないような学びも得たいところです。
たとえば以下のようなものが考えられます。
・動画編集
・webデザイン
・webライティング
・ブログ
・YouTube
・外国語
・各種資格取得の勉強
・株や仮想通貨
・TwitterやInstagram、TikTokなどのSNS
2020年度から小学校では「プログラミング」が必修になりましたし、ネット環境が激変すると言われている「5G」もサービスが開始されました。
おそらく今後もパソコンやweb関係の技術の需要は高いと考えられます。
また、外国語や資格取得の勉強をするというのももちろん定番のおすすめの時間の過ごし方と言えますし、ほかには、今から投資の勉強をするというのもありでしょう。
あとは、SNSを駆使して「インフルエンサー」となって影響力を持っておけば、その後何かを始める際にも有利です。
いずれせっかくなので、「+α」の何かを身につけておきたいとうことです。
逆に言えば、これができたらきっとホームスクーリングはうまくいくはずです。
この「+α」こそがホームスクーリングの「肝」だと私は思っています。
まとめ
今回の記事をまとめます。
・でも一応それなりの覚悟は必要
・なるべくだったら高卒の資格はほしい
・ホームスクーリングの間、何をどのように頑張るかが一番大事
・それによって進路は無限に広がっている
いろいろ書いてはきましたが、でもぶっちゃけ、結局はその人次第ということですよね。
人と少し違った生き方を選ぶのだから、当然ある程度は辛いし苦しいことも多いです。
でもその分、もし一生懸命頑張ることができたらきっと普通の人以上にすごい人生が送れると私は思います。
今回の記事は以上です。
最後まで読んでいただきどうもありがとうございました。
ではまた。
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