こんにちは。
元高校教師えむへいです。
このページは以下の人たちに向けて記事を書いています。
・子どもが今現在不登校や引きこもりを再発してしまった家族の方々
本記事の信頼性(執筆者紹介)
・自分の子どもが不登校になり、親として解決にあたった
・自分自身も小学校時代に一時不登校になった経験がある
先日、以下の記事をアップしました。
これに関連して今回は「予防」という観点で記事を進めていきたいと思います。
【予防】不登校を再発させない「7つのルール」
いじめやクラスのトラブルではなく、お子さんの特性や性格などが起因の不登校の場合には、「不登校の再発」というのは結構多く見られます。
私自身も完全にこのパターンでした…
本人や親御さんにとっては、せっかく学校に行けるようになったのに、「またか…」という思いがあると思います。
不登校は今や「選択肢の一つ」となっており、学校に行かないということに、そう否定的になる必要もなくなってはきましたが、でも行けるんであれば普通に学校に行った方が何かといいのは事実ですよね。
ということで、今回は「不登校をなるべく防ぐ」という観点で私なりに考えてみた「7つのルール」を解説していきたいと思います。
以下になります。
②子どもに活躍の機会を与える
③指導や指示(ティーチング)よりも提示や誘導(コーチング)を行う
④監視ではなく関心を向ける
⑤子どもの変化に気づく
⑥親も孤独にならない
⑦子どもの発達障害の可能性から目をそむけない
一つずつ解説していきます。
①親子の信頼関係を構築する
親子の信頼関係はやはり欠かせません。
安心感を得ることで自己肯定が働き、人間関係などのトラブルが少々あっても何とか自分で乗り越えることができます。
また、信頼関係があれば何か問題が起こったとしてもすぐに相談してくれるでしょう。
とは言っても、家庭というのはそれぞれに様々な問題や環境があり、家族の信頼関係を十分に構築できない場合もありますよね。
ちなみに私の家庭も過去にやや複雑だった経緯がありまして、簡単には信頼関係を結ぶことは難しかったです。
いわゆる「普通」の家庭なんてどこにもないわけで、それぞれに事情が異なるので、この「信頼関係」は「構築できてれば最高」という努力目標ですね。
②子どもに活躍の機会を与える
これも前述の親子の信頼関係構築と同様、以下が理由となっています。
「自己肯定感」や「自己有用感」、「自尊感情」というものは、子どもにぜひ身につけさせたい感情です。
「自分が誰かの役に立っている」「自分はここにいていいんだ」という自己の存在意義を子ども自らが感じることにより、不登校などの行動に発展しにくくなります。
家の手伝いとか、自分の部屋の片づけとか、なんでもいいんです。
何かを子ども自身にさせましょう。
そしてそれができたら子どもをほめてあげましょう。
私は昔、子どもの「先回り」をして、何でもかんでもやってあげたりしていたことがあります。でもそれは子どもの活躍の機会を奪うことにつながっていたかもしれません。反省です。
③指導や指示(ティーチング)よりも提示や誘導(コーチング)を行う
学校現場では次のようなことをよく言われていました。
授業や校内の生活だけでなく、部活動の場面でもよく言われていましたね。
この教育スタイルは家庭でも通じるものだと思います。
子どもに対して指導や指示だけだと、どうしても子どもの自主性や行動力が育ちにくいです。
何かあったときのトラブル回避能力が乏しいと、子どもは防衛反応として自分の殻に閉じこもってしまいます。
たしかに指導や指示というものは手っ取り早くて楽です。
しかしここはぐっとこらえて、普段から気長に提示や誘導を心掛け、子どもに自ら考えさせる機会を設けましょう。
④監視ではなく関心を向ける
このような環境下で育った子どもは、親が求める「正解」ばかりを追い求め、その結果、他者の評価だけを気にする子どもになってしまいます。
子どもの自主性を育み、かつ、心の安定につなげるためには、親は子どもに対して監視ではなく、関心を向けましょう。
⑤子どもの変化に気づく
「関心」を向ければ子どもの変化にもいち早く気づくことができるでしょう。
たしかに一日のほとんどは学校に預けているし、仕事で子どもとゆっくり話をする時間が少ない家庭も多いと思います。
でも!やはり少しでも子どもの変化に気づく、気づこうとする姿勢は保ちたいものです。
学校の先生にばかり任せてはいけません。
親と先生の両方で協力して、やっと初めて子どもの成長が遂げられます。
子どもの良い変化に気づいた場合には、どうぞたくさんほめてあげてください。
⑥親も孤独にならない
不登校の子どもは孤独です。
家族に病を患った人がいる場合、ケアやフォローなどの看病疲れにより、その家族も病に伏すということがしばしばあります。
どうぞご家族の方々こそ心身の健康に気をつけてください。
不登校の子どもを持つ親は大変です。
一人で悩んでいたら身体が持ちません。
ご家族の皆さんもぜひいろいろなつながりを持つようにしてください。
また、下記にも注意が必要です。
子離れできない親は子どもに依存しがちです。
それが子どもの成長を妨げる場合もあります。
親も子どももお互いに自立したいものですね。
⑦子どもの発達障害の可能性から目をそむけない
学校内でトラブルがないのに不登校になってしまった子どもや、なぜかいつもいじめやからかいの対象になってしまう子どもの場合は、「発達障害」の可能性があると言っていいでしょう。
下記に発達障害の代表的なものを挙げます。
それぞれの具体的な症状の説明は省略しますが、これらの有病率の平均は、学童期の子どもの1%~7%ほどと言われています。
「グレーゾーン」まで含めるとその割合はもっと多いでしょう。
また、発達障害には含まれませんが次のような特性を持つ子どももいます。
これは、元々持っている性格など先天的なものと、家庭環境や親の教育など後天的なものとが合わさって起こる症状のようです。
この「過剰同調性」や「HSP(HSC)」については過去に記事で取り上げていますので、もしよければ読んでみてください。
いずれ障害は「病気」ではなく「性格や特性、個性」と認識すべきです。
障害から目をそむけず、早くからそれを自他ともに認めることで、不登校などの問題にも対応できるようになります。
それでも不登校は起こる
上記で7つの不登校予防について書きましたが、残念ながらそれでも不登校は起きます。
もう絶対に親御さんの関わり方のせいではないのに、です。
今はもういろんなことが要因となって不登校は起きてしまうものです。
他の記事でも私はいつも書いていますが、親御さんは自分の子どもが不登校になったとしてもすぐにご自分のことを責めないでください。
子どもが風邪を引いたからと言って、そのすべての原因が親にあるわけではないのと一緒です。
少しは防げた場合があるかもしれませんが、でも親御さんが不登校の主要な原因となっていることはそう多くはないと私は感じます。
教師経験上、一つのことが原因で不登校になっている事例はほとんどなかったです。たいていはいろいろなことが積み重なっていたように感じます。
他の選択肢を常に頭に入れておく
最後にもう一つだけ親御さんに意識しておいてもらいたいことがこちらです。
たしかに、せっかく通っている学校ですので、そこでずっと通い続ける方がいろいろ楽ですよね。
ただし、それは「親」側の視点での話です。
親からしたらそりゃ転校とか退学とかいろいろ手続きがわずらわしいです。
子どもの将来が心配にもなるでしょう。
あとは世間体とかも気になりますよね。
この当たり前のことがなかなか難しい世の中になってきています。
でもだからこそお互いの意見を尊重し、次のステップの選択をしてほしいなと思います。
まとめ
・でも起きてしまうのが不登校です。
・いろいろな選択肢があるということも意識しておきましょう。
この記事が少しでも保護者の皆さんやお子さんのお役に立てれば幸いです。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
ではまた。
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